来世とは

来世のイラスト

来世とは三世と呼ばれる前世現世・来世の一つで未来世とも言い、死後の世界もしくは死後に生まれ変わる世界のこと。

死後の世界

死後の意成身

私達は今この地球上に生きていますが、死んだらその後はどうなるのでしょうか、という疑問に対して私達の祖先は明確な答えを求めて科学や宗教の観点から探求し続けてきましたが、未だに誰もが納得出来るような絶対的な答えはありません。

ある意味宗教は死後の世界を説くことによって、今やらなければいけないことを説いていて、極楽浄土に行くためには念仏を、密厳浄土に行くためには三密修行を説き、現世で行うべき方針を示してくれているのです。

宗教によって或いは宗旨宗派で死後の世界観には違いがあり、宗教を信じない人や無神論の人の中には死後の世界など一切無く、死んだらそれで終わりと言う考えもありますので、死後の世界には無数の考え方があると言っても過言ではありません。

重大事故などで危篤状態になった人が死後の世界を見てきたとの話を聞くことがよくありますが、お花畑の中を歩いていたら誰かに呼ばれて振り返った瞬間に命を吹き返したような体験を臨死体験と言い、ある意味実際に見てきた死後の世界の入り口なのです。

死後の世界についてはいろいろな考え方があります

  • 死んだら終わりで死後の世界は無い
  • 天国や地獄のような永遠に続く世界に行く
  • すぐ次の生に生まれ変わる
  • 中間的な世界を通過した後に次の生に生まれ変わる
  • 霊の世界に行く

などで、死後の世界は各宗教の教義に説かれていて、実に様々な世界観がありますので、信仰という事は信じる事であり、自分が信じた世界に行くと解釈すれば妙に納得します。

輪廻転生

カルマのイラスト

死後の世界は現世から来世への通り道のようなもので、そこを通ってしまえば次の世界に生まれ変わるというのが輪廻転生で、生まれ変わり死に変わりの世界を脱した浄土の世界の往生を願うのが浄土宗などの念仏思想です。

輪廻転生は仏教の基本的な考え方であり、私達は永遠に地獄餓鬼畜生阿修羅人間天界の六道の世界を生まれ変わり死に変わりしていて、六道の世界は苦しみに満ちた世界であって、苦しみから逃れることは出来ませんが、その苦しみから逃れるためには六道の世界を脱出するしかなく、そのためには悟りを開いて解脱するしかないと釈迦は説くのです。

輪廻転生での来世とは現世の命を終えて六道の中の次の世界に生まれ変わることで、当然前世というものもあって、前世・現世・来世の循環を繰り返すのです。

来世も人間でありたい

願いや思いのイラスト

私達日本人が輪廻転生と言う六道の生まれ変わりを受け入れ難いのは、家の思想があるからであり、家族の者が亡くなって50年経過すれば家の守り神になり、100年経過する頃にはまたその家に生まれ変わってくるという土着の思想があるからです。

人としての人生を全うしたら、再び人として生まれたい、という切なる願いが先祖代々受け継がれてきたのです。

この考え方は仏教以前の土着の思想であり、仏教は土着の思想を融合しながら発展し続けてたので、我が国では仏教徒であっても人間以外の餓鬼や動物に生まれ変わるような輪廻転生の考えが定着しないのです。

信仰とは

信仰のイラスト

死後の世界は主に宗教が説くものであり、仏教でも真実として正しく観ることを説きますが、私達が生きている人間世界が苦しみに満ちていて、避けることの出来ない生老病死の四つの苦しみがあり、その中でも最も大きな苦しみである死苦から逃れるには、悟りを得る或いは浄土に行くことが必要で、それが出来なければ死後の世界もまた新たな苦しみの始まりになってしまうのです。

しかしながら釈迦の悟りは凡夫が望むにはあまりにも難解で高尚であることから、自分が努力しても到達出来ないのなら、誰かに救ってもらうしかないと思うのが自然な流れであり、日々修行を重ねている膨大な数の仏達の中でも自分に御縁のある仏に救ってもらえるように祈るのが信仰なのです。

私達は今生きているこの一瞬一瞬を有意義に、そして人として幸せに生きていくことが確実に良き来世につながるはずなのです。