娑婆とは

六道のイラスト

娑婆とはサンスクリット語でサハー(sahā)と言い釈迦が衆生を教化するこの世の世界を表す仏教用語です。

三千大千世界

三千大千世界

仏教では釈迦が法を説く世界は三千大千世界であり、衆生が生まれては死にという六道輪廻を繰り返している煩悩に満ち溢れた苦しみの世界なので、悟りを得ることでこの苦しの世界みから脱出することが出来るのだから、この娑婆世界で仏道の修行に専念しなさいと説いているのです。

娑婆世界の中でも特に人間世界は仏道の修行をするには最適の世界ですから、そういう意味では娑婆世界はまさに素晴らしい理想世界なのです。

娑婆の空気はうまい

肩の荷とは

刑務所での刑期を終えた人が出所して外の世界に出た時に「娑婆の空気はうまい」と感じるそうですが、刑務所の中で自由の無い束縛された規則正しい償いの生活をしてきた人にとってみれば、外の生活は自由で何の束縛も無い世界ですから、流れている空気さえもうまいと思う、そういう世界が娑婆世界なのです。

仏法では娑婆世界は煩悩に満ちて悩み苦しみの多い世界だと説かれますが、何らかの理由で自由を束縛されている人から見たら実に楽しみの多い楽園なのです。

果たして娑婆の真相は

尼僧のイラスト

私達の住む現代の娑婆世界は紛争や災害が多く経済的にも生活が苦しくなるばかりで、自己中心的な人が自分の利益だけを追い求め、騙し騙されの人間関係にも疲れ果て、安心出来るはずの家庭でさえも家庭崩壊の危機が迫っているのが現実です。

しかしそういう状況であっても尚、私達は今現実に戦争に駆り出されている訳ではありませんし、強制労働させられている訳でもありませんから、ある意味自由な訳であって、何よりも仏法の修行が出来るという機会があるというだけでも幸せなことなのです。

こういう時代だからこそまずは家族を大切にして家庭の中だけでも平和な状況を維持し、魂を浄化することによって正しい眼を獲得すれば、正しい智慧も獲得することが出来て、世の中で起こっていることの真実が正しく見えるようになり、何をするにも正しい判断が出来て性格が穏やかになり、争いをすることも無くなり、人に対して優しくなるのです。