目次
仏教用語とは
仏教用語とは仏教から発生した或いは仏教に由来する言葉のことで、一般的にも使われることがある用語のこと。
「あ行」の仏教用語
「あ」
- 阿伽(あか)…閼伽とは仏教に於いて仏前に供えるための水のことで、密教では清めとしても使われる
- 悪趣(あくしゅ)…悪業の結果として行く世界で。地獄・餓鬼・畜生の三道を三悪趣と言う
- 阿含(あごん)…釈迦の直接の言葉が含まれる原始仏典
- 阿字(あじ)…阿字は梵字の一番最初の字であり日本語で五十音の最初の「あ」英語でアルファベットの最初の「A」に相当し、大日如来を表し、全ての根源、本質という意味
- 阿闍梨(あじゃり)…阿闍梨とはヴェーダ経典における指導者という意味であり、仏教に於いては教義を伝授する高僧のことを言い、密教に於いては僧侶の資格を持つ者という意味で使われる
- 有難し(ありがたし)…「ありがとう」の言葉は私達がよく使う言葉で、相手に対する感謝の気持ちを表しますが、本来は「有難し」(ありがたし)で滅多にないことを意味します
- 安居(あんご)…初期の仏教に於いて雨季の雨の多い時期に、虫の殺生を防ぐために僧侶が一か所に集まって共同生活を送ること
「い」
「う」
- 嘘も方便…仏が衆生を救済するための方法として相手のためを思うが故に嘘をつくこともあるということから、大きな善行を積むためには小さな嘘も時には必要であるという
- 宇宙(うちゅう)…宇宙とは私達が暮らす地球を含む果てしなく広がる空間のことで、一説には1000億個以上の銀河を含む100億光年の空間的広がりを持った過去100億年間に亘って膨張し続ける空間であると言われています
「え」
- 縁起(えんぎ)…この世の全ての現象が、原因や条件によって結果として成立しているのであって、原因や条件が無ければ結果も現れないということ
「か行」の仏教用語
「か」
- 加持(かじ)…仏の大悲の力が衆生に加えられて、それを衆生が持つことにより、仏の加護を得ること
- 喝(かつ)…声がかすれる程の大声で叱ることで、禅宗では指導者が修行者に対して、導いたりする時に大声を出すこと
- 我慢(がまん)…我慢とは仏教で説かれる煩悩の一つであり、自分に執着した結果として自分を高く、他人を低く見る慢心のことですが、現代では耐え忍ぶという意味合いに使われています。
- 灌頂(かんじょう)…密教に於いて頭頂部に水を注いで諸仏や曼荼羅の諸尊と縁を結び、正統な継承者として認めるための儀式のこと
「き」
- 帰依(きえ)…自分の身心を捧げて信じ従い、生活の拠り所にすること
- 喜捨(きしゃ)…寺社や僧侶などに対して喜んで金品を施すこと
- 鬼門(きもん)…鬼が出入りすると言われる北東(艮うしとら)の方位のことで、反対方向の裏鬼門と言われる南西(坤ひつじさる)と併せて、万事において忌むべき方角
「く」
- 具足戒(ぐそくかい)…出家した男女の修行者が守るべき戒律のこと
「け」
- 加行(けぎょう)…密教に入門した者が伝法灌頂を受けて阿闍梨になるのに必要な修行のこと
- 解脱(げだつ)…悟りを得て煩悩による悩み苦しみの連続である六道の輪廻転生から抜け出し、安楽の仏の境地に到達すること
- 結願(けちがん)…予め日数を決めて行う法会や修法、願掛けなどの予定日数が終了、または修行が終わることで、満願(まんがん)とも言います
- 現世(げんせ)…三世と呼ばれる前世・現世・来世の一つで前世とも言い、今私達が生きている現実の世界のこと
「こ」
「さ行」の仏教用語
「さ」
- 在家(ざいけ)…出家することなく家に居ながら仏道を実践し、仏教に帰依する人のことで、男性は優婆塞(うばそく)、女性は優婆夷(うばい)と言われます
- 座禅(ざぜん)…姿勢を正しくして座り、呼吸を整えて精神統一する仏教の修行法のこと
- 悟り(さとり)…仏教の開祖である釈迦が、苦しみの世界である六道の輪廻転生の輪から抜け出して到達した安楽の境地のこと
- 三帰依(さんきえ)…三宝とは仏教に於ける仏・法・僧の三つの宝のことを指し、これらの三つの宝に帰依して戒律を守ることが仏教徒の基本になります
- 三千大千世界(さんぜんたいせんせかい)…仏教で一人の仏の説法が行き届く世界のことで、仏国土とも言い、衆生が輪廻転生する六道の地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天界を含む世界観のことです
- 三毒(さんどく)…仏教に於いて人間が克服すべき根本的な煩悩のことで貪瞋痴(とんじんち)の三つを言い、正しい心を壊してしまって悪に堕ちてしまうので「毒」という言い方をしています
- 三密(さんみつ)…身口意(しんくい)、つまり身体の行いと口で唱える事と心で想うことに関する三つの秘密の教えのことで、真言密教では身口意の三密行をすることにより、仏に近づいていくこと
「し」
- 色即是空(しきそくぜくう)…大乗仏教の根幹をなす経典である「般若心経」にも出てくる言葉で、この世にある全ての形あるものは常に変化して実体が無く、幻のようなものであるということ
- 地獄(じごく)…仏教では衆生が住むとされる場所は、須弥山の下部にある鉄囲山に囲まれた四つの州の一つである贍部洲(せんぶしゅう)ですが、その地下には地獄があって、重大な罪を犯した者が死後に輪廻転生する所であり、重大な罪を犯した者が行く世界
- 四諦(したい)…釈迦の悟りの内容で、仏教が説く基本的な真理の苦諦、集諦、滅諦、道諦のこと
- 慈悲(じひ)…他の苦しみを取り除いて楽を与える仏菩薩の心のことで、慈はサンスクリット語のマイトリー(maitrī))に由来して衆生に楽を与えたいと願う心、悲はサンスクリット語のカルナー(karuṇā)に由来して衆生の苦しみを取り除きたいと願う心のこと
- 釈迦(しゃか)…仏教の開祖であり、歴史上に実在した人物ゴータマ・シッダッタが修行して悟りを得て如来となった方です
- 娑婆(しゃば)…サンスクリット語でサハー(sahā)と言い釈迦が衆生を教化するこの世の世界を表す
- 十大弟子(じゅうだいでし)…仏教の開祖である釈迦の弟子になった者の中でも主要な十人の弟子のこと
- 執着(しゅうちゃく)…一つのことに心をとらわれてしまい、そこから離れられなくなった状態のこと
- 出家(しゅっけ)…師僧から戒律を授かって俗世間の生活から離れて寺院や僧の集団の中に入り、仏法を守った修行の生活をすること
- 須弥山(しゅみせん)…古代インドの世界観では世界の中心には大海の中に浮かぶ山があり、須弥山と言い、上の方には神々が住むとされ、仏教にも影響を及ぼしています
- 須弥壇(しゅみだん)…寺院に於いて仏像や厨子を祀るために一段高くしてある祭壇の事であり、仏教の世界観である須弥山を模したもの
- 小乗仏教(しょうじようぶっきょう)…サンスクリット語でヒーナヤーナ(Hīnayāna)と言い、劣った(ヒーナ)乗り物(ヤーナ)の意味で、大乗仏教からの見下した表現ですが、個人の解脱のための教え
- 精進(しょうじん)…精進波羅蜜とは菩薩が如来になるための六つの修行である六波羅蜜の一つで、ひたすら勤め励んで修行を成就させようとする努力のこと
- 生身供(しょうじんく)…高野山奥の院で約1200年間続けられている儀式で、奥の院御廟橋(ごびょうばし)手前の御供所で作られた料理を朝の6時と10時半に弘法大師の元に届けること
- 成道(じょうどう)…道を完成させること、つまり仏道の悟りを完成して仏になること。成仏(じょうぶつ)、得仏(とくぶつ)、成正覚(じょうしょうがく)とも言う
- 浄土宗(じようどしゅう)…大乗仏教の宗派で、浄土往生信仰を基本に位置付け、法然を開祖とする鎌倉仏教
- 諸行無常(しょぎょうむじょう)…この世の中のものは全て流動変化していて、常に同じ状態ではないと説く釈迦の悟りの内容です
- 真言(しんごん)…古代インド語のサンスクリット語でマントラ(Mantra)と言われる言葉で、「真実の言葉、秘密の言葉」という意味です
- 真言宗(しんごんしゅう)…平安時代に唐の青龍寺の恵果和尚より伝承された密教を基本にして高野山金剛峰寺を修禅の道場に(高野山真言宗)、教王護国寺を根本道場(東寺真言宗)として確立した大日如来の秘密の教え(密教)です
「す」
- 頭陀袋(ずたぶくろ)…比丘(出家した男性の修行者)が托鉢の時に首から下げる袋のこと
「せ」
「そ」
「た行」の仏教用語
「た」
- 胎蔵界(たいぞうかい)…宇宙の根源である大日如来の現れ方を大日経を元に描かれた胎蔵界曼荼羅と金剛頂経を元に描かれた金剛界曼荼羅に表現されており、胎蔵界曼荼羅は大日如来の「理」の世界を表現しています
- 焚上(たきあげ)…神仏や先祖の魂が入った神仏像、御札や御守、位牌などを護摩の火で焚いて天上にお返しする古来よりある儀式
- 陀羅尼(だらに)…古代インドのサンスクリット語の原文のままに唱える神仏との交流を図るための呪文で、真言(マントラ)よりも長い呪文のこと
- 他力本願(たりきほんがん)…阿弥陀如来の立てた本願に頼って極楽浄土に往生して成仏すること
「ち」
- 智慧(ちえ)…物事の道理や善悪を正しく見極めるための心の働きで、仏としての心の作用のこと
- 畜生(ちくしょう)…は衆生が生まれ変わり死に変わりする輪廻転生の六道の内の一つで、鳥・獣・虫・魚などの全ての人間以外の動物のこと
- チベット密教(みっきょう)…チベットを中心に発展した仏教の一派で、チベット仏教とも言われます
- 調伏(ちょうぶく)…内なる心の中を調え外なる敵を教化して悟りへの障害を取り除くこと
「つ」
- 通夜(つや)…死者の傍に居て思い出話などをする夜を徹した儀式のこと
「て」
「と」
「な行」の仏教用語
「に」
- 入定(にゅうじょう)…弘法大師空海が座禅に入ったまま座り続けているという真言宗に伝わる信仰のこと
- 入滅(にゅうめつ)…サンスクリット語でニルバーナ(Nirvana)と言い、別名滅度(めつど)・寂滅(じゃくめつ)は煩悩の火が消えた状態のことで解脱のこと
- 如来(にょらい)…サンスクリット語でタターガタ(tathāgata)と言い、「この上ない尊い者」という意味で、歴史上に実在して仏陀となった釈迦如来を始め、過去や未来の如来、そして大乗仏教で説かれる如来などが存在する
「ね」
- 涅槃(ねはん)…悟りを得て煩悩による悩み苦しみの連続である六道の輪廻転生から抜け出し、安楽の仏の境地に到達すること
- 念仏(ねんぶつ)…仏教の修行の一つで、仏の姿や功徳を思い描いたり、仏の名前や名号を声に出して唱えること
「は行」の仏教用語
「は」
- 罰(ばち)が当たる…悪い行いに対して神仏の罰を受けるということで「天罰を受ける」「神罰が下る」「仏罰を被る」などの言い方もあります
- 八正道(はっしょうどう)…仏教で悟りを得て涅槃に至るまでの八つの修行法で、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定のことで、八聖道、八支正道、八聖道支とも言います
- 般若心経(はんにゃしんぎょう)…「般若波羅蜜多心経」と言い、梵名はPrajñā-pāramitā-hṛdaya、 プラジュニャーパーラミター・フリダヤで、大乗仏教の根幹をなす経典であり、仏教の諸宗派でよく唱えられる経典
「ひ」
- 彼岸(ひがん)…彼岸は仏教ではサンスクリット語でpāram(パーラム)と言い、仏教用語では「波羅蜜」パーラミター(Pāramitā) となり、「彼岸に至る」という意味
- 比丘(びく)…仏教に於いて出家して仏教教団の一員となり、具足戒を守る男性の修行者のこと
- 比丘尼(びくに)…仏教に於いて出家して仏教教団の一員となり、具足戒を守る女性の修行者のこと
- 火の車(ひのくるま)…家計の状態が苦しいことを言い、悪人が乗せられて地獄に連れていかれること
- 毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)…大乗仏教の仏で華厳経に於いて中心的な役割を持ち、密教に於いては大日如来と同じとされる
「ふ」
- 布施(ふせ)…寺院や僧侶に施す金品のことで、寺院や僧侶が在家の者に法を施し、在家の者は寺院や僧侶に金品などの財施を施すこと
- 仏像(ぶつぞう)…仏像は彫刻刀やナタなどで彫った仏の姿を表す像で、専門の職業を仏師と言います
「へ」
- 閉眼供養(へいがんくよう)…仏像や位牌などから魂を抜いて天にお還しすること
「ほ」
- 菩薩(ぼさつ)…仏教の究極の悟りの境地である如来を目指して修行している如来の一段階前の状態の者のこと
- 施し(ほどこし)…手に対して恵み与えること
- 本尊(ほんぞん)…寺院や仏壇などに於いて中心とされる最も大切な礼拝の対象であり、仏像や掛け軸、曼荼羅、名号などのこと
- 梵天(ぼんてん)…仏法を守護する天部の神で、古代インドの神話に出てくる世界の創造神であるブラフマーが仏教に取り入れられたとされる
- 煩悩(ぼんのう)…仏教に於ける悟りを邪魔する人間の欲望のことで、煩悩を完全に消滅した先に悟りの世界があるのですが、煩悩は人間世界での様々な苦しみの原因になっていると説きます
「ま行」の仏教用語
「ま」
- 曼荼羅(まんだら)…密教の経典に基づいて諸仏、諸菩薩、諸尊などが集会する様子を表した絵画などの図像のこと
「み」
- 身代地蔵(みがわりじぞう)…地蔵菩薩が自らの信者が受けるであろう病気や怪我などの災難を、信者の代りに受けると信じられている伝承のこと
- 三日坊主(みっかぼうず)…悟りを目指して仏門に入り、いざ修行を始めてみたところ、修行の厳しさに耐え切れず、娑婆の世界が恋しくなって、入門しても三日で辞めてしまう坊主のこと
- 密教(みっきょう)…密教とは秘密の教え、空海が唐よりもたらした密教は、従来の仏教である顕教(けんぎょう)=誰にでも明らかにする教え、とは違い誰にでも教えられない部分があると言われています
- 明王(みょうおう)…大日如来の化身として怒りの表情で悪を調伏し仏法を守る諸尊のこと
「む」
- 無縁仏(むえんぼとけ)…供養や管理する人の居なくなったお墓、或いは住所不定などで引き取る人の居ない遺骨のこと
「め」
- 瞑想(めいそう)…心を静めて一点に集中すること、或いは無心になること
「や行」の仏教用語
「や」
「ら行」の仏教用語
「ら」
「り」
- 輪廻(りんね)…六道と言われる地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天界の中で生まれ変わり死に変わりを繰り返すこと
「ろ」
- 六波羅蜜(ろくはらみつ)…大乗仏教に於ける六つの修行法で、菩薩が仏になるために必要な徳になり、私達の日常生活の中でも実践できる仏道の修行法
「わ行」の仏教用語
「わ」