衆合地獄とは

衆合地獄

黒縄地獄の下にあって広さは等活、黒縄地獄と同じで、殺人や盗み、淫乱の罪を重ねた者が堕ちる地獄。

地獄の構造と黒縄地獄

地獄の構造、仕組み

私達は生前の行いの善悪に応じて六道と言われる地獄・餓鬼畜生阿修羅人間天界の六つの世界を生まれ変わり死に変わりしていることを輪廻転生と言います。

私達の生前中の善行悪行の行いは死後に閻魔大王によって裁かれた結果として六道の行き先が決まるとされ、殺生などの悪行を犯した者は六道の中でも一番下の世界である地獄に堕とされて、苦しみの罰を受けることになります。

上から下まで8つの地獄が段階的にあって八大地獄と言われ、下から順に阿鼻地獄・大焦熱地獄・焦熱地獄・大叫喚地獄・叫喚地獄・衆合地獄・黒縄地獄等活地獄と呼ばれ、下に行くほど受ける苦しみの度合いが大きくなり、生前中の罪の深さや積み重ねによって堕ちる場所が違ってきます。

私達の生前中の全ての行動は善行と悪行に分けられて秤にかけられ、秤の針の動き方によって行き先が決められるのです。

八大地獄の中でも衆合地獄は上から3番目にあって受ける苦しみは上から2番目の黒縄地獄で受ける苦しみの10倍になります。

衆合地獄の詳細

衆合地獄のイラスト2

人間の3大欲求として「食欲」「性欲」「睡眠欲」があると言われ、満たせば一時的に満足するけれど次々とまた湧いてくることが特徴であり、生きている限り湧き続けるもので本能と言われる部分であり、人間という種が現代まで生き残ってきたのは「性欲」によるものが大きいにも関わらず仏教の修行者に禁止されているのは悟りという目的のためには全ての「欲望」を捨て去ることが必要であって、性欲が小さな満足であるとしたら真の意味での最高の満足である悟りの世界にたどり着くことを目標としているからなのです。

仏教では種の保存よりも個々の魂の救済の方が大切なのです。

人間という種は何時かは滅びるかもしれませんが、それでも仏教には迷い続ける無数の衆生の魂を救うという大きな目的があるのです。

在家の者であっても淫らな行いは禁止されています。

人間の世界が楽しいのは欲望を満たす楽しみがあること、欲望の満たし方に様々な方法があることですが、道を外れた性欲の満たし方次第では様々な地獄が準備されているということです。

衆合地獄は刃がカミソリで出来たサボテンの木が無数に生えている地獄で、樹上には絶世の美男美女が居て誘うので、淫乱な罪人は木を登ろうとするけれど、鋭いカミソリの刃で体中切り裂かれ、それでも上まで登ったら美男美女は今度は木の下に居るのでまた降りるということを延々と繰り返す地獄です。

衆合地獄の四門の外には罪状に応じて更に十六の別地獄があり、罪状としては現代の世の中で起こっていることと変わりなく、「正法念処経」によれば

悪見処(あくけんしょ)

他人の子供に性的虐待を行った者が堕ちる地獄。

自分自身の子供が陰部から串刺しになる様子を見せられる。また己の肛門から熱した銅が注がれ内臓が焼き爛れる苦しみを受ける。

大量受苦悩処(たいりょうじゅくのうしょ)

異常な方法で性行為を行った、またはそれを覗き見して真似した者が堕ちる地獄。

炎の剣で肛門から腰かけて串刺しにされる。男は睾丸、女は卵巣を抜かれる。

割刳処(かっこしょ、かちこしょ)

口を使い、性行為した者が堕ちる地獄。

口に釘を打って頭から貫通させ、それを急に抜き取り、今度は口から耳へ貫いて抜き取り、ということの連続または、溶けた赤銅を口から注ぎ込んで内臓を焼く。

脈脈断処(みゃくみゃくだんしょ)

男性に淫らな性行為を迫った女性が堕ちる地獄。

筒を通して口の中に溶けた銅を流され、「私は今、孤独です」と大声で叫ばされる。

団処(だんしょ)

牛や馬を相手に性行為(獣姦)を行った者が堕ちる地獄。

地獄に牛や馬がおり、罪人が性行為を行おうとすると、その牛馬の炎が性器を通じて罪人の体を焼きつくす。

多苦悩処(たくのうしょ)

男同士で性行為をした者が堕ちる地獄。

生前に愛した男がいて、燃やされているのを見せられ、罪人がそれを抱くと相手の男から発する炎で焼き尽くされる。

忍苦処(にんくしょ)

戦争などで略奪した他人の妻を寝取ったり、それを他人に与えたものが堕ちる地獄。

獄卒たちが罪人を木から逆さ吊りにし、下からの炎で焼き殺すことを繰り返す。

朱誅処(しゅちゅうしょ)

羊やロバを相手に性行為を行った者が堕ちる地獄。

鉄の蟻の大群にたかられ、肉や骨、内臓まで喰われる。

何何奚処(かかけいしょ)

兄弟、姉妹を相手に性行為を行った者が堕ちる地獄。

燃え上がる炎に焼かれ、鉄の烏の大群に食い尽くされる。

涙火出処(るいかしゅっしょ)

禁を犯した尼僧と性行為を行った者が堕ちる地獄。

罪人が流した涙が炎となって当人を焼き、獄卒に毒樹のトゲを目に刺され、鉄のはさみで肛門を裂かれ、そこに溶けた白蝋を流し込まれる。

一切根滅処(いっさいこんめつしょ)

口、肛などの女性器でない場所でその女性と性行為を行った者が堕ちる地獄。

獄卒が罪人の口を鉄叉で広げて熱銅を流し込み、耳に白蝋を流し込み、鉄の蟻が罪人の目を喰い、刀の雨が降る。

無彼岸受苦処(むひがんじゅくしょ)

妻以外の女性と性行為を行った者が堕ちる地獄。

火責め、刀責め、熱灰責め、病苦による責めなど、次から次へと責め苦がやってくる。

鉢頭摩処(はちずましょ)

僧になっても過去に付き合っていた女性を忘れられず、夢の中で関係し、淫欲の功徳を説いた者が堕ちる地獄。

獄卒に瓶の中で煮られ、鉄杵で突かれ、苦しむ罪人が辺りを見回すと、池の中に蓮華が見えるので、そこに行けば救われると思って走り出すと、地面に敷き詰められた鉄鉤に足を引き裂かれ、やっとの思いでたどりつくと背後に控えた獄卒に刀や斧で散々に打たれる。

大鉢頭摩処(だいはちずましょ)

出家僧ではないのに僧であると偽り、しかも戒律に従わなかった者が堕ちる地獄。

広さ500由旬、長さ100由旬の熱した白蝋の河があり、罪人がそこに落ちると身体がバラバラ、骨は石に、肉は泥になってしまい、やがて身体が魚になり鳥についばまれる。

火盆処(かぼんしょ)

出家僧ではないのに僧のフリをして、女性に興味を持ったり、身の回りの生活品に執着し、正法を行わなかった者が堕ちる地獄。

ロウソクのように、罪人たち自身の身体が炎に包まれ燃え盛り、泣き叫ぶたびに口や目鼻から炎が体内に入り、骨まで燃やし尽くす。

鉄末火処(てつまっかしょ)

出家僧だと詐称し、女性の舞いや笑い声、装飾品に心引かれてみだらな想像にふけった者が堕ちる地獄。

500由旬の高さの熱鉄の壁の囲いの中で、炎の熱鉄の雨が降りそそぎ焼かれ続ける。