ことしはおじいちゃんの〇〇回忌じゃなかったかな…こういう時に年(回)忌法要早見表があると便利です。法事を準備するのに、間違えて準備してしまったり、うっかり忘れてしまったら恥ずかしいものです。毎年必ず年忌法要早見表を見る習慣をつけておきたいものです。
目次
- 1 年回忌法要早見表とは
- 2 年回忌法要(法事)とは
- 2.1 1周忌だけは1回忌と言いません
- 2.2 回忌法要がマイナス一年の理由
- 2.3 1周忌が過ぎたら、後は3と7の数字が続く
- 2.4 23回忌と27回忌の間をとって25回忌があります。(23回忌と27回忌はしない)
- 2.5 33回忌で終わりということが増えました(37回忌はしない)
- 2.6 50回忌は一昔前までは普通に行われていました
- 2.7 100回忌は子孫が続いているということを祝う意味合い
- 2.8 亡くなってから2年間は
- 2.9 複数のご先祖の回忌法要(法事)を行う時
- 2.10 一番最後の回忌法要(法事)は
- 2.11 回忌法要(法事)と友引
- 2.12 回忌法要(法事)と曜日
- 2.13 回忌法要(法事)をする時間
- 2.14 回忌法要(法事)をする時期
- 2.15 年末年始の回忌法要(法事)
- 2.16 回忌法要(法事)は寺院に請求されてするものではない
- 3 回忌法要(法事)を行う場所に付いて
- 4 回忌法要(法事)は利他行の実践である
- 5 回忌法要(法事)と十三仏
- 6 報恩謝徳
年回忌法要早見表とは
「年回忌法要」とは決まった節目の年に迎える故人の命日に行う法要のことで、「年回忌法要早見表」とは、過去に亡くなられた方の法事が何回忌になるのかを見るために使います。亡くなられた年を見て、該当すれば今年は法事を行う年ということです。
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故人の没年月日が重要
たとえば故人の亡くなった没年月日から一年が過ぎますと一周忌の法要が該当します。故人の没年月日からどれ位の年月が過ぎたかで行う法要が決まります。
法要を行う日は命日もしくは命日の前の土曜日、日曜日など皆が集まりやすい日に決めるのが一般的です。
故人の没年月日は位牌に記載されています、位牌が無い時にはお墓の墓誌を見てみましょう。
それでも分からない時には…亡くなった人の没年月日が分からない時には
令和6年度の年回忌法要早見表
令和6年度 年回忌法要早見表 | |
年忌 | 亡くなられた年 |
1周忌 | 令和5年(2023年) |
3回忌 | 令和4年(2022年) |
7回忌 | 平成30年(2018年) |
13回忌 | 平成24年(2012年) |
17回忌 | 平成20年(2008年) |
23回忌 | 平成14年(2002年) |
25回忌 | 平成12年(2000年) |
27回忌 | 平成10年(1998年) |
33回忌 | 平成4年(1992年) |
37回忌 | 昭和63年(1988年) |
50回忌 | 昭和50年(1975年) |
100回忌 | 大正14年(1925年) |
亡き人のために何かして差し上げたいと思ったら、供養が一番です、供養という意味では法事が定番ですが、都会暮らしの方にとっては、親族を呼んでの法事という機会が少なくなりました。呼ぶべき親族がいないのですから、仕方ありません。最近は身内の物だけで、しかもお寺に出向いて読経してもらうという法事(上げ法事)が増えています。
見栄を張ることなく、無理することなく、故人様を偲び、供養を届けることは、故人様にとっても、私達にとっても大切なことです。
デザイン法要早見表2024年-令和6年度
やすらか庵の僧侶である私がデザインしました法要早見表-令和6年度版、無料で使えます、嫌味な宣伝がありません、どうぞ印刷して壁に貼ったりしてお使い下さいませ。
JPEGの画像にしてありますので、必ず「名前を付けて保存」して自分のパソコンにダウンロードしてから印刷などしてお使い下さいませ。
とても便利な早見表-令和4年度版を私がデザインしてみました、よろしかったらお使いください。
令和5年度年回忌法要早見表-A4サイズは、下の画像か文字をクリックすれば表示されますので、「名前を付けて画像を保存」してください。
デザイン法要早見表2024年-令和6年度「標準」バージョン
二十五回忌まで含めた令和5年度法要早見表の標準バージョンです。
令和6年度年回忌法要早見表標準バージョン(JPEG)
標準バージョンです。
デザイン法要早見表2024年-令和6年度「空欄付」バージョン
二十五回忌まで含めた令和6年度法要早見表の空欄付きバージョンです。空欄の所に書き込むスペースがありますので、自由に書き込み出来ます。
令和6年度法要早見表空欄付きバージョン(JPEG)
故人様の情報やメモなどを書くための空きスペースを付けました。
デザイン法要早見表2024年-令和6年度「確認」バージョン
二十五回忌まで含めた令和6年度法要早見表の確認欄付きバージョンです。法事の予定がある時に、予定や場所などを書き込みします。
令和6年度法要早見表確認バージョン(JPEG)
法要の予定などを書く欄があります。
デザイン法要早見表2024年-令和6年度「疫病退散護符」バージョン
二十五回忌まで含めた令和6年度法要早見表の疫病退散護符付きバージョンです。元三大師の護符は昔から疫病退散に効果があると言われています、新型コロナに負けないように、貼るだけでも護符になりますので、どうぞお使い下さいませ。
☆25回忌付です
令和6年度法要早見表、疫病退散バージョン(JPEG)
☆25回忌の無いバージョンも作ってみました
令和6年度法要早見表、疫病退散、25回忌無しバージョン(JPEG)
年回忌法要(法事)とは
「年回忌法要」とは決まった節目の年に迎える故人の命日に行う法要のことで、故人に供養を届け、参加者の功徳にもなります。
回忌法要は宗旨宗派や地域によって違いがありますので、特別な決まりがある訳ではありませんが、基本的な考え方は存在します。
1周忌だけは1回忌と言いません
一周忌は人が亡くなってから1年目にあたる日のことで、暦が365日一周回ったと言う意味で一周忌と言います。
一周忌の次の年は三回忌で、正確に言いますと二年目で、次の七回忌も六年目で、〇回忌は全てマイナス一年で計算します。
回忌法要がマイナス一年の理由
回忌法要と言えば3回忌、7回忌、13回忌、23回忌、27回忌、33回忌などがありますが、それらの法要は亡くなった人の命日から2年目、6年目、12年目、22年目、26年目、32年目に行います。
これは亡き人の年齢を数え年で数えるからであり、仏教的には母親の胎内に宿った時に命が始まったと考えるからなのです。
お葬式の時に使う享年は数え年であり、この世に生を受けてからの年齢を表しているのです。
1周忌が過ぎたら、後は3と7の数字が続く
十三仏の信仰は室町時代になってから始まった我が国独自の信仰で、十三の仏が亡き人に対して死後の世界を引導するというもので、今でも特に真言宗では法事の時に十三仏の掛け軸を掛けて十三仏の真言を唱える「お看経」(おかんき)をします。
十三仏が亡き人を三十三回忌まで案内する信仰は十王の死後の世界の裁判から来ていると言われていますが、その内容は
- [十三仏] [裁判官] [法事] [命日から]
- 不動明王 秦広王(しんこうおう) 初七日 7日目、6日後
- 釈迦如来 初江王(しょこうおう) 二七日 14日目、13日後
- 文殊菩薩 宋帝王(そうていおう) 三七日 21日目、20日後
- 普賢菩薩 五官王( ごかんおう) 四七日 28日目、27日後
- 地蔵菩薩 閻魔王 (えんまおう) 五七日 35日目、34日後
- 弥勒菩薩 変成王 (へんじょうおう) 六七日 42日目、41日後
- 薬師如来 泰山王( たいざんおう) 七七日 49日目、48日後
- 観音菩薩 平等王 (びょうどうおう) 百か日 100日目、99日後
- 勢至菩薩 都市王 (としおう) 一周忌 2年目、1年後
- 阿弥陀如来 五道転輪王(ごどうてんりん) 三回忌 3年目、2年後
- 阿閦如来 蓮華王 (れんげおう) 七回忌 7年目、6年後
- 大日如来 祇園王 (ぎおんおう) 十三回忌 13年目、12年後
- 虚空蔵菩薩 法界王( ほうかいおう) 三十三回忌 33年目、32年後
となっていて、一周忌の後は三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌ということになっていますが、3と7の数字なので、これに二十三回忌、二十七回忌、そして三十七回忌が追加されたと思われます。
仏教では三つの宝である「三宝」(仏法僧)を大切にし、さらに七つの宝である「七宝」は、『無量寿経』においては「金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)」とされ、『法華経』においては「金、銀、瑪瑙、瑠璃、硨磲、真珠、玫瑰(まいかい)」とされて大切にされ、極楽浄土の世界の宮殿の荘厳に使われているそうです。
更に我が国の土着の思想が入りますと、三という数字はお産の「産」であり、父と母と子で家族を形成して子孫長久の縁起の良い数字、七は太陽のプリズム七色の光、七福神、ラッキーセブンでこれまた縁起の良い数字、仏教の勤行で真言を唱える時の回数は一、三、七、二十一…と続きます。
真言や経を唱えるのに効果的な回数として昔から三と七が使われてきたことは、功徳として最も良い形になるからなのです。
三と七は数を数える時の一二三と同じ感覚なのです。
23回忌と27回忌の間をとって25回忌があります。(23回忌と27回忌はしない)
23回忌と27回忌はそれぞれ3回忌と七回忌の10年後になりますが、33回忌で弔い上げ(最後の法事)とする場合には23回忌と27回忌はもう、終盤戦ラストスパートになります。
23回忌と27回忌ぐらいになってきますとその間に亡くなったという方が大抵は居ますので、その方と法事をまとめて行うという意味での25回忌だったのではないかと思います。
25回忌がありますと2人分、或いは3人分の法事をまとめて行うのに都合よく使えます。
一般的には25回忌を行えば23回忌と27回忌は行いません。
逆に23回忌と27回忌を行えば25回忌は行いません。
33回忌で終わりということが増えました(37回忌はしない)
一番最後の法事のことを弔い上げと言いまして、亡き人は〇〇家のご先祖様になったということで、以降は「ご先祖様」という呼び方になり、個別の供養は終わりになります。
近年では葬儀の簡略化が進んでいますので、33回忌で終わりとすることが多いようです。
33回忌で弔い上げの場合には37回忌は行いません。
50回忌までの法事を行う場合には37回忌は行います。
50回忌は一昔前までは普通に行われていました
一昔前までは50回忌までの法事が当たり前だったように思いますが、近年では葬儀の簡略化が進んだこと、そして親族付き合いが希薄になったこと、50年前に亡くなった人のことを知らない、などの理由で行われる機会が減ってきています。
50回忌の法事にはもう亡き人が居なくなった悲しみというものは無くて、むしろ家の守り神になったという祝いの法事になり、鯛の尾頭付きなどの目出度い物を準備して祝います。
100回忌は子孫が続いているということを祝う意味合い
100回忌ともなれば故人のことを知っている人は居ませんし、よほど旧家でもない限りその当時の位牌などをお祀りしていることは無いことでしょう。
100回忌の法事が出来ることは素晴らしいことで、先祖から何十代も続いてることの証であり、格式のある所でしか出来ないことであります。
長く続いた家業や伝統を引き継ぐのに、先祖の加護は必要です。
亡くなってから2年間は
故人が亡くなって2年間は法事が続きますので、何回忌の法事であるかを忘れるようなことはありません。亡くなってからの法事は
- 初七日
- 二七日
- 三七日
- 四七日
- 五七日
- 六七日
- 四十九日(満中陰)
- 百か日
- 1周忌(ちょうど1年)
- 3回忌(ちょうど2年)
1周忌や3回忌はなるべく命日か命日に近い日に行います。皆が集まりやすいように日曜日にしたりすることが多く、また、命日より遅いと忘れたと思われるので、命日よりも少しだけ早くするのが一般的です。
また、3回忌までは他のご先祖の法事と一緒にしないのが一般的です。しかし、お寺さんによって考え方が違うこともありますので、それぞれのお寺さんに従ってください。
死後の世界はどうなっているの…チベットの死者の書、死後の世界の詳細を説く経典
複数のご先祖の回忌法要(法事)を行う時
おじいちゃんの13回忌とおばあちゃんの7回忌を一緒に行うことは可能です。しかしちょうど同じ年にぴったりと当てはまるようなことは少ないので、どちらか早い方に合わせると良いでしょう。
例えばおばあちゃんが平成26年に亡くなっていたら、今年が7回忌の法事になりますが、おじいちゃんが平成21年に亡くなっていたとしたら、正確には今年おばあちゃんの7回忌をして、来年おじいちゃんの13回忌をすることになりますが、今年おばあちゃんの7回忌とおじいちゃんの13回忌をまとめて行うということがよく行われています。
丁寧に行うという意味では、一人一人を分けて行うべきですが、法事をするにしてもそれなりの費用と時間がかかりますし、なるべく節約してということは、世の中の流れなのかもしれません。
ご先祖様の数が多い家では場合によっては1回の法事で5体の方の法事を一緒にしたりということもあります。
また、考え方によってはおじいちゃんとおばあちゃんの仲が良かったのだから、一緒に行えば喜んでくれる、という見方もあるかもしれません。しかし、お寺さんによって考え方が違うこともありますので、それぞれのお寺さんに従ってください。
またお布施についても何体かまとめての場合は安くしてくれる寺院もありますし、3体分の法事の場合に法事の御布施が単純に3倍になることもありますが、仮に3倍になったにしても親戚に集まってもらう手間などを考えれば安上がりということになります。
一番最後の回忌法要(法事)は
一番最後に行う法事のことを「弔い上げ」と言い、近年は33回忌の法事で終わりとすることが増えているようですが、可能であれば例えば33回忌と50回忌、或いは100回忌が一緒に出来るのであれば、した方が良いのではないかと思います。
100回忌の法事ともなりますと、故人を知っている方がおられるということはありませんが、子孫がそれだけ長い間続いているということですから、昔から祝いの法事と言いまして、目出度いということから、タイの尾頭付きを振る舞って祝ったようです。
輪廻転生の立場からすると、人間というものは四十九日を過ぎますと生まれ変わっていますので、法事などしても意味が無いはずなのですが、これは仏教的な考えではなくて、我々の祖先の固有の宗教観と道教、儒教などの影響を受けた、祖霊の供養ということをしているのであり、人は死んでから50年、或いは100年で家の守り神になるという信仰と結びついたからこそ法事というものがあるのです。
回忌法要(法事)と友引
友引というものは、亡くなった方が友を引いていくという意味ではありませんので、気にする必要はありませんが、お葬式だけは皆さん縁起を担ぐということと、実際問題、斎場にもお休みが必要なので、お葬式が行われないだけの話です。
法事を行う日は、友引でも構いませんし、どんな日でも構いません。
回忌法要(法事)と曜日
大勢の方が集まるような法事、もしくは遠方から来られる人が居る場合には、わざわざ休みを取らなくても済むように、土曜日、日曜日に行うのが通例です。
土日祝祭日は法事に適していますので、お寺の予定が埋まってしまいます。
土日祝祭日で法事の予約をするならなるべく早めにしましょう、特にお盆やお彼岸の近くでは予約が取りにくいものです。
お寺に出向いてしてもらう「上げ法事」では平日の方がお寺が空いていますし、お寺の都合も付きやすいです。
お寺では急なお葬式にも対応出来るようにするために、決まった定休日はありませんので、法事やお葬式の無い日が休みみたいなものです。
回忌法要(法事)をする時間
法事をする時間に何時と言う決まりはありませんが、午前11時に法事をすればお墓参りをしても午後の1時までには終わりますので、食事を準備しているのなら、ちょうど良い時間に終わります。
午前11時法事開催、12時お墓参り、午後1時会食というパターンが最も理想のパターンです。
他には午前9時、午後1時、午後3時などの場合もあり、お寺さんが忙しくて午後3時の法事しか予約できなかったということもよくあることです。
午後3時からの法事でも仕出しの食事を準備して食べてもらうことは良くあることです。
最近では新型コロナの影響で、人数を減らしたり、食事無しの法事ということもあります。
回忌法要(法事)をする時期
法事をするのに適切な時期はありませんが、1周忌などの場合にはなるべく亡くなった日に近い日に設定し、33回忌ともなれば春や秋などの温かくて過ごしやすい日が好まれます。
お盆や春秋の彼岸の近辺はお寺さんも忙しくなりますので、この時期に行うことは避けた方が良いかと思いますが、1周忌の法事などでこの時期に重なる場合には、なるべく早めに予約しないといけません。
年末年始の回忌法要(法事)
法事は年末年始などの皆が忙しかったり祝ったりする時には行いません、春秋のお彼岸には供養にふさわしい時期として集中しますし、お盆のお寺さんが棚経で忙しい時期にも法事は行いません。
これは役に立つ→法事に関する質疑応答
回忌法要(法事)は寺院に請求されてするものではない
法事というものは亡き人の供養である以上、供養とは本来、押し付けられてするものではなく自主的に行わなければ意味が無いのです。
最近では寺院の方から親切に法事の通知のハガキが来るようですけど、何か催促されているようで親切の押し売りはどうかなとは思いますが、ハガキが来ても来なくても気を付けておきたいものです。
回忌法要(法事)を行う場所に付いて
法事をどこでするかは参加する人数や皆の都合などをよく考えてから決めます
自宅で回忌法要(法事)を行う
お寺さんを始め参加する皆さんに自宅に来てもらって行う法事で、近では自宅で法事を行うことが少なくなりましたが、地方では昔からそうしてた、これ以外に考えられないなどの理由で自宅で行いますが、自宅で法事をするメリットとしては
- 親族に来てもらうので家でゆっくりしてもらいたい
- 亡き人が暮らしていた場所が供養に最適
- 出かけなくて済む
- 皆に報告したいことがある
- ホールなどの費用が不要
- お墓参りに歩いて行ける
デメリットとしては
- 片付けが大変である
- 全ての手配を自分でする必要がある
- お手伝いの人が必要
- 駐車場の場所に困る
- 物が壊れたり無くなったりすることがある
- くつろぎ過ぎて寝る人が居る
- なかなか帰らない人が居る
特に地方では家の近くにお墓があって歩いて行けるので、法事の後にお墓参りをして、その後に食事をするということが多く、法事の時には隣近所の人が総出で手伝ってくれるという助け合いの精神が根付いていますので、良き習慣ではありますが、近所の人が家の中の事情まで知っていますので、何か変わったことがあればよからぬ噂を立てられるということもあるのです。
ホールで回忌法要(法事)を行う
お寺さんにも参加する皆さんにもホールに来てもらって行う法事で、位牌と写真(場合によっては遺骨)をホールに持って行きます。
葬儀社や仕出し屋、宴会場などの貸しホールを借りて法事やお墓参り、食事、手土産まで全て手配してもらいますので、大変に楽であり、駐車場などの心配をすることなく、マイクロバスでの送り迎えがあったりしますので、費用はかかりますが、サービスが苦手な人でも従業員がサービスしてくれますので失敗が無くて無難で安心というところです。
メリットとしては
- 自宅を片付ける必要がない
- 駐車場の心配が無い
- マイクロバスで送迎してくれる
- 食事や土産物まで手配してくれる
- 応対がプロである
デメリットとしては
- それなりの費用が掛かります
- 余計なサービスが付いていたりする
寺院で回忌法要(法事)を行う
位牌と写真を持ってお寺さんに上がって行う法事で、寺院で上がって法事をするので上げ法事と言うようです。
少人数で法事をして食事もしないことが多いので、皆を呼んで食事も付けての本格的な法事ではなくて、例えば法事をするのを忘れていたなどの場合にも上げ法事で済ませることが多いです。
お寺に付属する墓地を利用している場合にはお寺で法事をしてすぐにお墓参りに行けますのでとても便利です。
最近では葬儀会館を備えた寺院もあり、ホールの役目を担っている所がありますので、こういった場合にはホールで行う法事と同じです。
メリットとしては
- 短時間で済ませられる
- 祭壇の準備などしなくて良い
- 寺院だから雰囲気が有難い
- お寺参りも出来る
デメリットとしては
- 少し慌ただしいかもしれない
回忌法要(法事)は利他行の実践である
法事は追善供養(ついぜんくよう)とも言いまして、亡き人にこちらの世界より功徳を積んで送り届けるという役割があり、亡き人のために行うものなのです。自分のために行うのではなくて、亡き人のために行う利他行の実践なのです。
亡き人に功徳を届ける
亡き人は肉体から魂が離脱してあの世に旅立ち、慣れ親しんだ肉体は焼却されて骨になってしまったので、もうこちらの世界に戻ってきて生身の体を取り戻して生きていくということは出来ません。あの世の世界では亡き人の現世での罪を裁かれて、次の世界への道筋が決まっていくのです。
仏法では自らの罪は自ら背負う「自業自得」が大原則であり、他の者が肩代わりすることが出来ません。そして現世での善悪の行いは命を終えた時点で決定します。最終的に亡き人の善悪の比重がどうなるかは、誰も動かすことが出来ないのです。
私達人間は誰しも良いこともするけれど、悪い事をする方がむしろ多いようなもので、もしあの世に行ったとして、現世での行いを善悪を秤にかけたとしたら、恐らく誰もが悪の方が重いのではないでしょうか。
こういう時に子孫の者達が追善供養をしてくれて、功徳を自分に届けてくれたら、どんなに嬉しいことでしょう。この世からあの世に何か届けてあげようと思っても、目の前にあるような物は何も届けることは出来ませんが、功徳という目に見えないものだけは届けることが出来るのです。
亡き人に遺品を届けてあげたい時には…お焚き上げ供養
目に見えないものだからこそ届けられる
追善供養の功徳とは、亡き人に対して「どうかあの世の世界でも良い世界に行けますように、そして私達がお送りする功徳が届きますように」との願いが込められているのです。神仏の世界や先祖の世界が元々私達の目には見えないもので成り立っているからこそ、目に見えないものを届けることが大切なのです。
しかし神仏の世界や先祖の世界が私達から見えないのは、私達の心の目が曇っているのであって、本来は見えているはずなのです。
功徳を届けるだけ
功徳というものは、見返りを期待しては功徳では無くなってしまいます。「ただ差し上げるだけ」が本当の功徳であり、何かをしたから何かをください、というのは功徳ではありません。自分が成した行いが本当に他を思うだけの利他業の実践であれば、最終的には自分も徳を積ませて頂いているものです。くれと言って貰うものではなくて、気が付いたら頂いていたというものなのです。それが法事であり、先祖供養であり、追善供養なのです。
回忌法要(法事)と十三仏
十三仏は亡き人の回忌法要(法事)をする時に十三仏を描いた掛け軸を掛けて行い、何回忌の法事であるかによって守り本尊の担当が決まっています。
十三仏と死後の裁判官
十三仏は死後の裁判を行う十王が起源だとされ、死後7日目を担当する秦広王(しんこうおう)から始まって死後の世界の裁判官として有名な閻魔王は死後35日目、そして死後3年目を担当する五道転輪王(ごどうてんりんおう)へと続き、その後は十王以外の3人の裁判官である 7年目の蓮華王 (れんげおう)、13年目の祇園王 (ぎおんおう)、33年目の法界王( ほうかいおう)で裁判が終わります。
- [十三仏] [裁判官] [法事] [命日から]
- 不動明王 秦広王(しんこうおう) 初七日 7日目、6日後
- 釈迦如来 初江王(しょこうおう) 二七日 14日目、13日後
- 文殊菩薩 宋帝王(そうていおう) 三七日 21日目、20日後
- 普賢菩薩 五官王( ごかんおう) 四七日 28日目、27日後
- 地蔵菩薩 閻魔王 (えんまおう) 五七日 35日目、34日後
- 弥勒菩薩 変成王 (へんじょうおう) 六七日 42日目、41日後
- 薬師如来 泰山王( たいざんおう) 七七日 49日目、48日後
- 観音菩薩 平等王 (びょうどうおう) 百か日 100日目、99日後
- 勢至菩薩 都市王 (としおう) 一周忌 2年目、1年後
- 阿弥陀如来 五道転輪王(ごどうてんりん) 三回忌 3年目、2年後
- 阿閦如来 蓮華王 (れんげおう) 七回忌 7年目、6年後
- 大日如来 祇園王 (ぎおんおう) 十三回忌 13年目、12年後
- 虚空蔵菩薩 法界王( ほうかいおう) 三十三回忌 33年目、32年後
これらの裁判官には本地仏としての仏が決まっており、亡き人を悪い世界に落とさないように願うのが十三仏の信仰です。
十三仏と来迎信仰
十三仏の掛け軸では十三の仏たちが雲に乗って死者を迎えに来る来迎図として描かれていることから、十三仏は死者を順番にあの世へと導くための仏としての信仰が定着しています。
亡き人の死後に裁判が行われた結果として悪い世界に行きませんようにとの信仰よりはむしろ、仏が死者を迷うことなく間違いなく導く信仰としての十三仏信仰は、仏が浄土の世界へと導く浄土信仰ともいえるのです。
それぞれの仏の役割の詳細は…十三仏とは
仏教では輪廻転生を説き、転生後の行き先は自業自得、自分の生前中行いの結果として決まってしまうだけのことで、生前中の行いは変えることができませんし、そこには一切の他人の力が及ばない世界なのですが、唯一功徳というものだけは届けることができるので、どうか故人を助けてあげて下さませと、亡き人のために功徳を届け続けることが、私達人間世界にしか出来ない、とても温かい行為なのです。
報恩謝徳
報恩謝徳とは、その徳に感謝して受けた恩に対して自分のできる限りのことをしようという気持ちのことです。
四恩について
私達は自分一人の力だけで生きている訳ではありません、「大乗本生心地観経」では、父母の恩・衆生(社会)の恩・国王(国家)の恩・三宝(仏・法・僧)の恩の四恩を説き、弘法大師空海もこの四恩の大切さを説いています。
父母の恩
父母とは文字通り父母、自分の両親のことであり、命を授けて下さった方です。父母が居なければ私達は生まれてくることは出来ませんでした。
衆生の恩
衆生とは周りの社会を支えている人達のことで、買い物するにも然り、電車に乗るにも然り、私達が便利で快適な生活が出来るのも、社会を支えている周りの人達のおかげなのです。
国王の恩
私達は今この平和な日本に生まれて来たことを心の底から感謝しなければいけません。世界中を見渡せば、戦争や紛争の絶えない国や、民衆が貧困にあえぐ国、自由の無い国などがあり、自由で平和な国に生まれてくるなんて、類まれなことなのです。国王、国家のおかげなのです。
三宝の恩
三宝とは仏法僧のことで、仏とその仏が説く法と、そしてその方を伝える僧がいて初めて真実の法は広まっていくのです。真実の法は迷い多き私達に真の幸福を教えてくれるものであり、私達は仏法僧のご縁が無いと真の幸福には近づいていけないのです。
四恩に感謝の先祖供養
父母に感謝することは、亡き父母に感謝することであり、ご先祖様に感謝することと同じです。何回忌と決まった法事はその時で終わりですが、基本としては毎日行う先祖供養が感謝の気持ちを表す行動なのです。
自分で出来る先祖供養
仏壇や祭壇にお線香やお茶湯を上げたり手を合わせて礼拝したり、読経したりすることが供養です。出来ましたら毎朝決まった時間に行い、毎日の習慣にしたいものです。
寺院での先祖供養
寺院に出向いて先祖供養をお願いします。位牌や過去帳があれば持って行きます。~回忌の法事では無くて「先祖供養」の旨伝えましょう。やすらか庵でも先祖供養していますので、お気軽にご利用くださいませ。